MacのIntel CPUがARM CPUへWWDCで発表 期待と不安

2020年6月10日 (更新日:2020年6月11日)

MacのIntel CPUがARM CPUへWWDCで発表 期待と不安:MacのIntel CPUがARM CP...


MacのIntel CPUがARM CPUへWWDCで発表 期待と不安

BloombergからARM(Advanced RISC Machine)ベースのCPUを搭載したMacが6月開催のWWDCにて発表されると予想しています。
報道によるとARM CPU版Macは「Kalamata」プロジェクトと呼ばれ、2021年出荷に向けて開発されています。
このニュースを知った時、真っ先に思ったのが大丈夫か?です。

Intelでなくてグラフィック処理は大丈夫か

Intel CPUは高性能でグラフィックなど画像処理を優先に扱うパソコンに採用されるCPUです。
それに対してARM CPUは一番最初に登場したのはiPhoneなどスマートフォンのCPUとしてバッテリーライフを重視した省電力で、省電力が故にパワーが足りないCPUです。
その背景があるCPUをMacに採用するからには省電力というメリットだけでなく演算処理の高速化がなされていなければ採用には至らないと思います。
調べてみました。
Apple内のテストによるとARM プロセッサはIntel プロセッサに比べ、グラフィック処理と人工知能処理において大幅に高いパフォーマンスを示し、電力効果においても優れていると報道されています。

Intel CPU Mac

ARM CPUはiPhone専用ではなくなってきている

例えばiPhone11シリーズで採用されているA13 BionicはマルチコアパフォーマンスでMacBook Airを上回っています。
なかなか、期待が持てるCPUに変貌しているようです。
確かに、現在のIntel CPUは進化のスピードが遅くなっています。
実際にMacBook ProやAirなどに採用されているIntel CPUは最新のCPUでない数年前のモデルが搭載されています。
この際、Intel CPUからARM CPUに移行した方がインテルの発売周期や生産能力不足に振り回されず、iPhoneやiPadなどの他のデバイスで連携がしやすくなります。

Power PC → Intel Core → 歴史的転換の再来か

もし本当にAppleがCPUをARMに変更するのであれば昔IBM製のPower PCを採用していた頃、スティーブ・ジョブズが突然、ライバルだったIntel Coreに変更して以来の大きな節目になるような気がします。
その当時はIntel製に切り替えることで多くのファンはMacでは無くなると懸念していましたが、その心配は取り越し苦労で、その後Macは大きな進化を遂げました。

Intel CPU Mac

MacでもiPhoneと同様のARMベースのAシリーズ・プロセッサを採用することでより円滑で確実にCPUのアップグレードを計画することができるようになります。
またIntelに発注しないことで従来の50%程度コストを削減できますし、開発がスムーズになります。
それにしてもハードとOSソフトを一体として作っているAppleであれば最終的にはプロセッサも自社で作るのは当然の流れだと思います。

Source: Bloomberg