ソフトバンクARMをNVIDIAへ売却。Apple Silicon大失敗の予感

2020年9月19日 (更新日:2020年9月19日)

ソフトバンクARMをNVIDIAへ売却。Apple Silicon大失敗の予感:ソフトバンクARMをNVIDIAへ売却。...


ソフトバンクARMをNVIDIAへ売却。このままだとApple Silicon大失敗の予感

ソフトバンクGがとうとう傘下の半導体企業ARMを創業者が中国系であるNVIDIAへ4兆2000億円で売却に合意というニュースが飛び込んできました。
これはトランプ大統領の仕掛けでARMの知的財産権が中国側に取り込まれないようにソフトバンクを財務的に追い込んでARMを手放すようにした結果です。
ところが中国側も必死の抵抗で同じ中国系であるNVIDIAにARMを移しました。

半導体


この必死さが物語っているのはNVIDIAがお金を持っていないところです。
例えばAppleの資産は20兆円と言われていまして、ARMを余裕で買うことはできますがNVIDIAの資産は1兆8000億円で3兆円借りないといけません。
まさにソフトバンクのビジネスモデルである借金を借金でNVIDIAも返すことになるのでしょうか。

NVIDIAによるARM買収は最悪の事態

さらにもしNVIDIAにARMが渡ることになったらARM創業者であるハーマン・ハウザー氏は「最悪の事態であり、ARMビジネスモデルが崩壊する」との認識を示しています。
中国側はARMが持つ中立性やエコシステムとは関係なく、次代のIoTの覇権のため、どうしてもARMの知的財産権を手に入れたいところ。
意地でも米国側には渡さないことが予想されます。
となると、このままNVIDIAがARMを持つことになる。

半導体


そうなってくるとスマートフォンなどに代表されるIoT機器のチップとして90%使用されているARMがそれまで保たれていた中立性や独立性が低下したと見なされるとARMの競合であるRISC-VアーキテクチャへARMパートナーたちが流れていくことは十分にあり得ます。
Appleもこれは自社CPUの情報がARMを通ってNVIDIAへ渡ることになります。
ということはアップル製品の心臓部が中国側に渡るということになり、エレクトロニクスはコピーしやすいが発動して中国版iPhoneが登場し、半額の値段で市場に出回り、本家iPhoneは日本の半導体メーカー同様、潰されてしまいます。
となるとAppleも自社CPUの開発をARMベースからRISC-Vへ変更する可能性が出てきました。

ARM買収にはもう一波乱ある

しかし、10年かけて培ってきたApple Siliconを手放さないためにはトランプ大統領に頑張ってもらって中国陣営からARMを手放させること。
米国や英国の規制当局が独占禁止法に基づきARMのライセンス継続は買収の条件にすることは間違いないと見られます。
さらには規制当局がNVIDIAによるARM買収を許可しない可能性も出てきました。
ARMの買収先としてはチップ開発を行なっていない中立的な企業が理想だとされていますがトランプ大統領としてはMicrosoft推しです。
確かにチップの開発は行っていないがAppleとしては複雑かも。

via:REUTERS

via:EE Times