【比較】ARM iMac、なぜApple Silicon iMacなのか

2020年7月5日 (更新日:2020年7月5日)

【比較】ARM iMac、なぜApple Silicon iMacなのか:【比較】IntelCoreとARM iM...


【比較】IntelCoreとARM iMac、なぜApple Silicon iMacなのか

WWDC 2020にて新CPUであるApple Siliconが発表され、Macに搭載されることが明らかになりました。
Apple Siliconが発表される前まではARM iMacと呼ばれ予想されていました。
なぜAppleはMacの心臓部であるCPUをIntelからARMに変えたのでしょうか。
特にiMacはデスクトップであることを考えると省電力に特化しているARMに変える必要はありません。
電力供給に心配がなければ演算処理の速さやグラフィックの高速表示を重視したCPU選びになってきます。

Apple silicon

IntelとARMの違い

パソコンのプロセッサ、いわゆるCPUは長らく米IntelのIntelCoreが広く使われてきました。
しかし昨今のスマートフォンの隆盛を後押ししたのは英ARM CPUです。
ARMプロセッサの特徴は何よりも省電力であること、にもかかわらず処理能力が高いという良いとこどりで、尚且つ独自機能を拡張できることが大きな強みになり多くのスマートフォンで採用されてきました。
その相乗効果によりパソコンの販売台数をスマートフォンやタブレットの販売台数が大きく上回りARM CPUのシェアも大幅に拡大しました。
ちなみに私はARMをずっと「エーアールエム」と呼んでいました。
本当は「アーム」って呼ぶようです。
インテル社と同様アーム社という企業の名前でした。
今まで数人にドヤ顔でARMを「エーアールエム」で説明してましたので、お恥ずかしい。

Apple silicon

その一方、高性能CPUの代名詞とも言うべきIntelは小型化、省電力化に注力してきました。
そしてAtom、Edisonと独自に開発した小型CPUでスマートフォンやタブレット分野だけでなくIoT分野においてもシェア拡大を目指しましたが挫折、現在ではこの分野でARMと協業関係にあります。

なぜApple Siliconという名前なのか

ARM社は自社で半導体工場を有していないfabless企業である。
そしてこの会社の特徴がCPUを設計するがその設計情報を企業にライセンス提供し、購入した企業は独自の機能を付け加え製造していきます。
Apple社はiPhone、iPadに携帯電話として必要な通信機能やグラフィックス処理、ディープ・ラーニングなどを独自に追加して完成させたプロセッサAシリーズを製造しています。
ということはARMはCPUの基本アーキテクチャであり、ライセンスを購入した企業により様々な付加価値をつけることでCPUの独自性を打ち出せます。
ですのでAppleとしてはARM CPUでは無くApple Siliconという命名がふさわしいということになります。

macOS Big Sur

デスクトップのiMacのCPUはApple Siliconなのか

ここまでARM CPUは省電力で処理能力が高いことが分かりました。
デスクトップで電力供給の心配がないiMacでは省電力ということでARMを採用する必要性はありません。
考えられるのはその処理能力です。
Intel Coreと比較すると年々頭打ちになっているIntelと比べるとARMは大きく進化しています。
最近のニュースでスーパーコンピュータ世界一になった富岳で採用されているCPU アーキテクチャはARMです。
総合するとその処理能力においてもARMがIntelを上まっていると予想されます。

というわけでますます楽しみになっているApple Silicon iMacです。

source:Apple

source:【図解】コレ1枚でわかるIntelとARM